WordPressに見覚えのないページや管理者が増え、
「セキュリティインシデント調査では何を調べるの?」と困っていませんか?
専門的な調査報告書には、アクセスログ、WAF、WebShell、ハッシュなど、
初心者には分かりにくい言葉が数多く並びます。
そこで今回は、実際に行ったWordPressのセキュリティインシデント調査を完全に匿名化し、
何が起き、何を調べ、どのように安全を確認したのかを図解します。
WordPressの復旧を多数手がけてきたよこやま良平です。今回わたしが実際に行ったログ・データベース・WAF調査と残存検査を、企業や個人を特定できない形で分かりやすく解説します。
- 実例で発生したWebShell・不正管理者・SEOスパムの流れ
- 実際に調べたアクセスログ・WAF・FTP・データベースの役割
- 調査で特定できたことと確定できなかったこと
- 事前駆除後に行った残存検査と現在の状態
- 自分で作業せず専門家へ相談すべき状態
結論から言うと、この実例では侵害と攻撃に使われた操作口を確認できました。
ただし、最初にWebShellが設置された方法は、必要な期間の証拠がなく確定できませんでした。
難しい報告書の内容を「攻撃の流れ」と「調査・対応の流れ」に分け、
2枚のイメージ図を使って順番に説明します。
WordPressセキュリティインシデント調査の実例で何が起きたか
今回のWordPressセキュリティインシデントでは、WebShellを操作口として、
バックドア、不正管理者、検索エンジン向けSEOスパムへ被害が広がっていました。
Web・エラー・FTP・WAFを合わせて200万件を超える記録とデータベースを確認し、
100回を超えるWebShellへの操作と、数千種類のスパムURLを時系列で照合しました。
実例で確認した4つの被害
今回一般化して紹介する事例では、通常のページとは別に、
検索エンジン向けの海外語スパムページが大量に生成されていました。
調査を進めると、プラグイン領域に置かれていたPHPファイルが遠隔操作され、
別の不正PHPや見覚えのない管理者が追加された流れを確認できました。
- 既に存在していたPHPファイルへ外部から繰り返しPOST送信
- 複数の不正PHPファイルを追加
- 見覚えのないWordPress管理者を作成
- 検索エンジン向けのスパムページを大量配信

左側の外部通信が、サーバー内に既に存在した不正PHPへ到達し、
そこから3種類の被害へ枝分かれしたイメージです。
操作に使われた入口と根本原因は同じとは限らない
ログから、攻撃者がどのPHPファイルを操作したかは確認できました。
一方、そのファイルが最初に設置された日時や方法は、保存期間内のログに残っていませんでした。
この場合、「攻撃の操作口は特定」「根本の侵入経路は未確定」と分けて報告します。
証拠がない部分を、古いプラグインやパスワード漏洩が原因だと決めつけてはいけません。

WordPressセキュリティインシデント調査の実例では証拠を保全した
WordPress改ざん調査では、慌てて削除する前に証拠を保存することが最優先です。
削除や上書きによって、侵入時刻や攻撃元を判断する手掛かりが消えるためです。
最低限保存したいデータ
- Web公開フォルダーの全ファイルと隠しファイル
- WordPressデータベースのダンプ
- HTTP・HTTPSアクセスログとエラーログ
- FTP・FTPS・SFTP・SSHの認証と操作ログ
- サーバー管理画面のログイン・ファイル操作ログ
- WAFの検知ログと設定情報
- Search Consoleの警告や不正URL一覧
ファイルは更新日時だけでなく、SHA-256などのハッシュ値も記録すると、
調査中に内容が変わっていないことを説明しやすくなります。
サイトを止める必要がある時も原本を残す
被害が続いている場合は、公開停止やアクセス制限が必要になることがあります。
ただし、停止作業の前後でバックアップを取り、何を変更したか記録してください。

WordPressセキュリティインシデント調査で実際に確認した5種類の記録
WordPress改ざん調査は、一つのログだけで結論を出さず、
Web・認証・WAF・データベース・ファイルを横断して確認します。
アクセスログとエラーログ
アクセスログには、送信元IP、時刻、URL、GETやPOST、ステータスコード、応答サイズなどが記録されます。
不正PHPへのPOSTが続いた直後に別ファイルへ200応答が出ていれば、操作の流れを追えることがあります。
送信元IP - 日時 "POST /plugin/example.php" 200 応答サイズ
送信元IP - 数秒後 "GET /追加された不正ファイル.php" 200 応答サイズ
別のIP - 後日 "GET /海外語のスパムURL/" 200 応答サイズ200は必ずしも正常を意味しません。404でもWordPressが受け取り、
内部で不正ページを返しているケースがあるため、応答サイズや前後のアクセスも比較します。
FTP・SFTP・SSH・管理画面の操作ログ
ファイルが外部からアップロードされた疑いがある場合、
FTPやSFTP、SSH、サーバー管理画面のログが初回侵入の判断材料になります。
ただし、ホスティング会社によっては利用者が取得できず、
警察機関や弁護士による正式な要請が必要な場合があります。資料がなければ、技術的に推測できても確定はできません。
WAFログは「検知されなかった攻撃」も考える
WAFが多数の攻撃を遮断していても、今回の侵害操作が必ず記録されるとは限りません。
既に置かれたWebShellへの通常のPOSTが、ルールに一致しないこともあるためです。
「WAFが動いていたから侵害されていない」とは判断せず、
アクセスログと同じ時刻・URL・IPがWAF側にあるか照合します。
データベースは現在と過去を分けて判断する
データベースでは、管理者ユーザー、権限、投稿、オプション、Cron、セッションなどを確認します。
ただし、ダンプ時点で不正ユーザーがいなくても、過去に存在しなかったとは言えません。
アクセスログに管理者作成の操作が残り、後日のDBにユーザーが存在しない場合は、
調査前に削除された可能性を含めて時系列を整理します。

実例で行った調査と対応の全体像

- 受領したログ・データベース・WAF資料を原本のまま保全
- WebShellへの操作、追加ファイル、不正管理者、SEOスパムを時系列化
- アクセスログ、エラーログ、FTP、WAF、DBの記録を相互照合
- クライアントが調査前に感染ファイルを削除し、旧環境から新環境へ移行
- よこやま良平が公開フォルダー全体を実地検査し、残存がないことを確認
- 確認できた事実、未特定部分、推奨対策を調査報告書へ整理
重要なのは、クライアントが行った削除・移行と、
よこやま良平が行った調査・残存検査を分けて記録した点です。
現在は、公開フォルダー全体の実地検査で、感染ファイル、WebShell、
その他のマルウェアが残っていないことを確認しています。
- 確認できたこと:WebShellが操作され、バックドア、不正管理者、SEOスパムへ被害が広がったこと
- 攻撃元:操作に使われた複数のIPアドレスをログから確認
- 未確定のこと:WebShellを最初に設置した方法と人物・組織
- 情報漏洩:受領資料の範囲では、大量取得や外部流出を示す記録は未確認
- 現在の状態:駆除後の実地検査で、感染ファイルやマルウェアの残存なし
つまり、被害の広がり方と攻撃時の操作は特定できましたが、
最初の侵入だけは証拠不足のため断定していません。
WordPressセキュリティインシデント調査は時系列で攻撃手法を確認する
WordPress改ざん調査では、個別の不審アクセスより、
複数の出来事がどの順番で発生したかを見る方が重要です。
WebShellへのPOSTから不正ファイル実行までをつなぐ
WebShellとは、ブラウザ経由でサーバー上の命令やファイル操作を行う不正プログラムです。
見た目は通常のPHPファイルで、プラグインやテーマの中へ紛れ込むことがあります。
同じIPからWebShellへPOSTが行われ、その直後に新しいPHPへアクセスがある場合、
不正ファイルを設置して動作確認した可能性が高まります。
検索エンジンだけに見せるSEOスパムを確認する
SEOスパムは、管理者や一般利用者には正常なページを見せ、
Googlebotや検索経由の訪問だけに賭博・偽通販などを表示する場合があります。
そのため、ブラウザでトップページを見るだけでは不十分です。
不審URL、User-Agent、参照元、応答サイズ、サイトマップ、Search Consoleを合わせて確認します。

断定できることと推測を分ける
- 確定:ログやファイル、DBで直接確認できた事実
- 可能性が高い:複数の記録が一致するが直接証拠がない内容
- 未特定:必要な期間や種類のログがなく判断できない内容
攻撃元IPが分かっても、そのIPを使った個人や組織までは断定できません。
VPN、プロキシ、侵害された別サーバーが中継に使われることがあるためです。
調査報告書には根拠と限界を一緒に残す
調査結果は、単に「感染していた」「直った」と書くだけでは不十分です。
調査したログの種類と期間、確認件数、主要な時刻、攻撃元、操作されたURLを整理します。
さらに、現在の残存、情報漏洩を示す記録、取得できなかった資料も明記してください。
後から関係者が読んでも、どの証拠から結論を出したのか判断できる報告書になります。
ログの保存期間が短い、FTPや管理画面の操作記録を取得できないなど、
調査者では解決できない制約もあります。その場合は技術不足ではなく、証拠資料の範囲による未特定だと説明します。
WordPressセキュリティインシデント調査後に行った残存確認
WordPress改ざん調査後は、見つかったファイルだけでなく、
Web公開領域全体とデータベースを確認して残存を判断します。
ファイル・ユーザー・自動実行を横断する
- WordPress本体・プラグイン・テーマと正規配布物の差分
- uploads、mu-plugins、drop-ins、バックアップフォルダー
- .htaccess、.user.ini、wp-config.phpなどの設定ファイル
- 管理者、Application Passwords、セッション、WordPress Cron
- サーバーCron、外部通信、別サイトへの横展開
また、管理画面を守るための.htaccessを置く場所にも注意が必要です。
wp-admin全体を遮断すると、フォームやAjax、外部通知、一部の自動処理が止まることがあります。
認証情報とWordPressを更新する
残存がないことを確認したら、WordPress、サーバー管理画面、FTP・SFTP、DB、関連メールの認証情報を更新します。
WordPressの認証キーを再生成し、既存セッションも失効させます。
WordPress本体、テーマ、プラグインは、互換性とバックアップを確認したうえで、
サポートされている最新版へ更新してください。使っていない拡張機能は停止だけでなく削除します。

WordPressセキュリティインシデント調査で情報漏洩を確認した結果
WordPress改ざん調査では、サイトの復旧だけでなく、
顧客情報や認証情報が外部へ送られた形跡も確認します。
ただし、ログに大量ダウンロードや外部送信が見つからないことと、
情報漏洩が絶対になかったことは同じではありません。
確認できた事実と技術上の可能性を分ける
アクセスログにDBの取得、大量ファイルのダウンロード、不審な外部送信がなければ、
現資料上は「漏洩を示す記録は確認されなかった」と表現します。
一方、WebShellが動作していた場合は、サーバー上の情報へ触れられた可能性があります。
そのため、「漏洩なし」と断定せず、保存されているログの範囲と限界を報告書へ記載します。
- 大容量の応答や連続したファイル取得がないか
- DB管理ツール、バックアップZIP、設定ファイルへのアクセスがないか
- 不審な外部ドメインやIPへの通信がないか
- 管理者セッションやApplication Passwordsが追加されていないか
- メール、決済、会員システムの認証情報が保存されていないか
漏洩が確認できなくても認証情報を交換する
漏洩を示す記録がなくても、侵害されたサーバーに保存されていた秘密情報は、
見られた可能性を考えて交換する方が安全です。
WordPress管理者、サーバー、FTP・SFTP、DB、SMTP、外部APIのパスワードやキーを棚卸しし、
安全な端末から更新します。使っていない連携やセッションは無効化してください。
WordPress改ざん調査を自分で続けない方がよい状態
WordPress改ざん調査で不審なPHPや管理者が複数見つかった場合は、
自分で削除を続けず、現在の状態を保存して専門家へ相談してください。
理由は、操作を重ねるほどログや更新日時が変わり、
侵入経路の特定と完全な残存確認が難しくなるためです。
- 削除したPHPや管理者が再び作成される
- 検索結果に海外語・賭博・偽通販ページが大量表示される
- 管理画面へ入れない、または権限が変更されている
- 同じサーバー内の複数サイトに不審ファイルがある
- 顧客情報、決済、会員情報を扱っている
- ログや正常なバックアップを自分で判断できない
WordPress改ざん調査のよくある質問
WordPressセキュリティインシデント調査実例のまとめ
WordPress改ざん調査では、感染ファイルを消す前に原本とログを保存し、
Web、WAF、認証、データベース、ファイルを同じ時系列で確認します。
- 削除と原因調査は別の作業として進める
- 攻撃の操作口と最初の侵入経路を分けて判断する
- DBやWAFが正常でも、過去の侵害を否定できるとは限らない
- 駆除後はWeb公開領域全体、認証情報、検索結果まで確認する
- 証拠を失う前に専門家へ相談する
見えている症状だけを直すと、侵入口や別のバックドアが残る恐れがあります。
特定できた事実と未確定部分を分け、再発しない状態まで確認することが大切です。
WordPress改ざん調査で困ったら自分で作業せずご相談ください

不審ファイルを自分で削除すると、証拠が消えたり、サイトが動かなくなったりすることがあります。
困ったら自分で行わないで、今すぐ弊社へご連絡ください。
- どのファイルが正常か判断できない
- 侵入経路や攻撃された時刻を調べたい
- 削除後も検索スパムや不審URLが残っている
- バックドアが残っていないか確認したい
- クライアントや関係者へ提出する調査報告書が必要
- 万一復旧できない場合やマルウェア駆除できない場合は全額返金保証で安心
- 90日間再感染保証・動作保証で安心
- 初期費用・調査費用0円で安心
